CLIPPER'Sの始まりには、WAHLのバリカンと、アメリカのBarber文化への憧れがある。
道具の佇まい。 技術を仕事として誇る姿。 Barberという文化が持つ、独特の格好良さ。
そこに惹かれたことが、CLIPPER'Sの始まりの一つだった。
しかし、仕事を続けるほど、理容の価値は格好良さだけではないと分かってきた。
毎月、髪を切るために来てくれる人がいる。 話したい日もあれば、静かに過ごしたい日もある。 子どもだったお客様が、少しずつ成長していく。 県外へ出た人が、帰省したときにまた店へ来てくれる。
最初は苦手かもしれないと思ったお客様と、いつの間にか何でも話せる関係になることもある。
人は、見た目だけでは分からない。 一度の接客だけでも分からない。
髪を切る時間を重ねながら、その人の生活や変化に触れ、関係を育てていく。 別れがあることも含めて、人の時間に関わる。
理容は、髪を切るだけの仕事ではなかった。
だからCLIPPER'Sは、お客様を「回す」対象として扱わない。 会話を強制しない。 一人ひとりに合った距離感で向き合う。
毎月髪を切る30分を、見た目だけでなく、気分まで少し整う時間にする。
整えるのは、髪だけじゃない。
この仕事を続ける中で、もう一つ分かってきたことがある。
理容の仕事には、まだ変えられることが多く残っている。
接客。 教育。 採用。 働き方。 店舗運営。
「昔からこうだから」 「業界では普通だから」
それだけを答えにしなければ、もっと良い方法があるかもしれない。
必要な仕組みがなければ、自分たちでつくる。 POS、シフト管理、BI、教育の仕組みも、現場の問いから生まれてきた。
テクノロジーを目立たせたいわけではない。 人の代わりにしたいわけでもない。
事務作業や単純作業を減らし、スタッフが考える時間を増やす。 お客様と向き合う時間を増やす。 学びや判断を、次の人へ渡しやすくする。
主役は人。 テクノロジーは、人が人と向き合う時間を増やすために使う。
新しい方法を試して、「こんなこともできた」と分かる瞬間がある。 その発見が、この仕事をまた面白くする。
ただし、一人にしかできない成功は、まだ完成ではない。 なぜできたのかを言葉にする。 教えられる形にする。 誰かが再現できる仕組みにする。 そして、仲間へ渡す。
学びは、共有して完成する。
CLIPPER'Sが大切にしているのは、完成した答えを守り続けることではない。
前提を疑う。 まず試す。 結果から学ぶ。 より良い方法が見つかれば、昨日の正解を手放す。
世界を、すでに完成したものとして見ない。
この姿勢を、CLIPPER'SではFULLTIME Explorerと呼んでいる。 特別な人だけに与える肩書きではない。 仕事の中に問いを見つけ、自分で試し、その学びを仲間へ渡していく人の姿勢である。
CLIPPER'Sは、完成した会社ではない。 完成した答えを持つブランドでもない。
より良い問いと、より良い方法を、仲間とともに育て続ける。
広げたいのは、店舗数だけではない。 理容という仕事に対する考え方と、現場で試し、確かめてきた方法である。
髪を切る。 人と向き合う。 人を育てる。 仕組みをつくる。 未来を試す。
そのすべてを、理容という仕事の可能性へ変えていく。
理容という仕事の可能性を広げる。
理容業には、まだまだ可能性がある。
